「読みたい本はたくさんあるけど読む時間がない」
世界の名だたる起業家・経営者は、読書好きで知られています。マイクロソフトの創業者であるビル・ゲイツ氏は、年間50冊以上の本を読み、毎年自身のブログ「ゲイツノーツ(Gates Notes)」で数冊を推薦しています。
他にも孫正義氏、ウォーレン・バフェット氏、マーク・ザッカーバーグ氏など、著名な経営者は読書好きで知られています。
ー読書は学びの宝庫ー
誰もがわかっていることですが、いそがしい会社員にとっては読書時間の確保が難しいですよね。そんないそがしい会社員におすすめなのが「YouTubeの本の要約チャンネル」です。
本記事では、YouTubeの本の要約チャンネルのデメリットと、そのデメリットの対処法を方法をご紹介します。デメリットを理解した上で使えば、学習効率が高まります。
本の要約チャンネルのメリットはこちらで紹介しています。
それではここから見ていきましょう!
本の要約チャンネルのデメリット
効率よく本をインプットできる本の要約チャンネル。実はデメリットがあります。まずはそのデメリットを確認しておきましょう。
1|本を読んだ気になる
2|自分の好みしか聴かない
3|本の内容について偏った理解
4|著者への直接の還元がない
1|本を読んだ気になる
最初にして最大のデメリットが「本を読んだ気になる」ことです。要約チャンネルはあくまで「要約」です。1冊の本の中の、ほんの一部を紹介しているに過ぎません。
たしかに本の要約チャンネルは、大切なことを抜き出してまとめてあります。1冊の本を読む時間に比べたら、はるかに短く、効率的に大切なところのインプットができます。
しかし、1冊の本の中には、著者の伝えたい想いや情報が至る所に書かれてあります。それは決して1つではありません。
YouTubeというメディアの特性上、短時間でまとめて伝えることが求められます。1時間や2時間などの長時間の動画を投稿しても、最後まで見てもらえず、チャンネルの評価が下がってしまいます。それではYouTubeで公開している意味がありません。
大切なポイントを1つ知ったくらいで、その本を読んだ気になってはいけません。「本を読んだ気になる」のは、本の要約チャンネルの大きなデメリットでしょう。
2|自分の好みしか聴かない
次のデメリットは、「自分の好みのジャンル」しか聴かなくなるということです。
YouTubeでは、過去に視聴履歴のデータに応じて、次に見る動画のおすすめが表示されるようになっています。たとえば、サッカーの動画を毎日見ていたら、おすすめとしてメッシのプレー集が表示されるようになるといった具合です。
本の要約チャンネルを毎日見ていると、同じジャンルの本の要約動画や、同じ本を別の要約チャンネルで紹介している動画などがおすすめとして表示されます。
おすすめに表示されるということは、「繰り返し目にする」ということです。心理学に、接触回数が多ければ多いほど好意が増す「単純接触効果」があります。おすすめに繰り返し表示されると、つい見てしまいたくなるのはこのためです。結果として、自分の好みのジャンルの本しか聴かないことになります。
読書をとおして著者の考え方に触れることで、読者の世界を広げることができます。好みのジャンルしか聴かないということは、デメリットになります。
3|本の内容について偏った理解
次に紹介するデメリットは、「本の内容についての偏った理解」です。時に「誤った理解」につながる可能性すらあります。
優秀な本の要約ユーチューバーさんは、動画の視聴者の理解度を高めるために、わかりやすい具体例を使って解説してくれます。僕ら視聴者にとってそれはわかりやすいのですが、著者の直接の言葉ではありません。もしかしたら、著者の意図とは異なることもあるかもしれません。
要約ユーチューバーさんは、それぞれコンセプトやキャラクターがあります。そのコンセプトやキャラクターを崩さないようにして解説しているので、本の内容について偏った理解につながることがあります。
4|著者への直接の還元がない
最後に紹介するデメリットは、「著者への直接の還元がない」ということです。
YouTubeの仕組み上、要約YouTubeを見ただけだと、著者は1円も受け取ることができません。要約ユーチューバーの方に広告収益が入るだけで、直接的な報酬はありません。(個別で契約を結んでいたり、その後の購入につながれば話は別です)
作家は、書くことで生計を立てている方もいます。要約であったとしても、書いたものが無料で公開されてしまうことは、作家の生活を苦しめてしまうことにつながりかねません。結果として「本を書く人」が減り、良書の数が少なくなってしまう可能性もあります。
デメリットの対処法
ここからは、デメリットの対処法をご紹介します。デメリットの対処法を知れば、より効果的に要約動画で学ぶことができます。
①メモを取る
②3:1の聴き方
③他の要約動画も聴く
④おすすめ動画は紹介
①メモを取る
「本を読んだ気になる」への対策として、本の要約チャンネルを聴きながら、メモをとることをおすすめします。
メモを取ることでポイントを可視化することができます。さらに本のポイントの深掘りにもつながります。
また、要約チャンネルを聴くだけだと、耳からのインプットとなり、受動的になります。メモをとることで「書く」というアウトプットができます。インプットとアウトプットを両輪で回すことで、学びの効率が高まります。
②3:1の聴き方
「自分の好みしか聴かない」への対策として「3:1で聴く」ことをおすすめします。
こちらはメンタリストのDaiGo氏が紹介している本の聴き流し術です。自分の興味のある分野の本を3冊聴いたら、興味のない分野の本を1冊聴くというインプット方法です。
興味のない分野の要約を聴くことで、新たなひらめきを期待できます。
③他の要約動画も聴く
「本の内容について偏った理解」への対策として、他の要約動画も聴きましょう。
著名な本であればあるほど、さまざまな要約ユーチューバーさんが要約しています。多くの人の要約を聴けば偏った理解ではなくなるでしょう。
また、同じ本を読んだ知人がいれば、意見を交わすこともおすすめです。「〇〇読んだ?」とぜひ聴いてみてください。
④おすすめ動画は紹介
「著者への直接の還元がない」への対策として、動画を知人へ紹介することが挙げられます。
気に入った本は購入すれば、最も直接的に著者へ還元することになります。しかし、経済的な限界もあるでしょう。多くの本を買うことは、現実的に難しいことです。
であれば、要約動画をシェアしていきましょう。多くの人にその本の存在を知ってもらうことで、多くの人の購入につなげることができます。
【結論】デメリットを理解して要約チャンネルを使おう!
YouTubeの本の要約チャンネルは、デメリットも多くあります。ただ、すべては表裏一体。長所もあれば短所もあります。
デメリットは、工夫すればマイナスの部分をなくすことができます。この「工夫」が、本をとおして得られる学びなのかもしれませんね。
本の要約チャンネルのメリットはこちらで紹介しています。よければどうぞ。