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「人は移動距離の分だけ成長する」は嘘?脳科学的に考えてみた

「勉強がてら旅行してきなさい」
「成長するために人に会いに行きなさい」

上司の決まり文句の1つです。
古来から移動することで学ぶことがあると考えられてきました。
これはなぜでしょう。

結論からいうと「人は移動した分だけ成長する」からです。
脳科学的には、移動の時間がとても有意義な時間なのです。
それではいってみましょう!

日本人はリスクをとれない民族?


日本人は世界から見て、リスクを取らない国民といわれています。
島国だから保守的という話もあります。

たとえば、日本人はお金に関しては、投資思考がありません。
日本人のタンス貯金は50兆円あるといわれています。
タンス貯金とは言葉のままで、自宅に置いてあるお金のこと。
その理由は「銀行に預けていても増えないから……」がほとんどです。
つまりリスクを取りたがらないのですね。

たしかに今や超低金利時代。
どの銀行も0.01%程度で、預けていても増えることはありません。
しかし、タンス貯金をしていても増えることはなく、災害や盗難などで0になる可能性すらあります。
また、日本円が大暴落すれば、一気にその価値を失います。

この話を聞くと、日本人はリスクをとれない民族のように感じます。

かつてはリスクをとりまくっていたチャレンジャーだった


一方、奈良・平安時代の日本人は、果敢にリスクをとる民族でした。

当時、中国の宗教や学問を学びに行こうとしたのが「遣唐使」です。
遣唐使は当時の超エリートでした。
先進国であった当時の中国に学び、国に還元するため、エリートが派遣されたのです。

歴史にも残るこの遣唐使制度は、実はたくさんの犠牲の上に成り立っていたことをご存知ですか?
海を渡る遣唐使が、無事に中国に行ける確率は50%ほどでした。
約2人に1人。
それはそれはとてつもなく大きなギャンブルでした。

当時の船は20mほどでしたし、航海技術は未熟そのもの。
複数の船で出発するものの、帰ってくるのは約半数。
当時の日本人は、約300人ものエリートや財産を海の底に沈めてでも、中国から学ぼうとしていたそうです。

日本人はそれだけのリスクをとってでも、学ぶ意欲の強い民族なのです。

移動はリスク?時間の無駄?


在宅ワークの流行や、オンラインでの買い物、zoomなどの画面通話。
今やわざわざ移動しなくても、なんでもできる時代になりました。
移動するだけでコストも時間もがかかります。

しかし「人は移動距離の分だけ成長する」といいます。
これは脳科学的な視点に立つと、事実であることがわかります。
移動は人の成長を促進します。

移動するということは、移動先に目的があることがほとんどです。

✔️旅行
✔️デート
✔️取引先
✔️飲み会
✔️同窓会
✔️セミナー参加
✔️スポーツ観戦

仕事でもプライベートでも、移動した先で何かをする目的がありますよね。
もちろんその移動先で学ぶことが多いのは当然です。
誰かと会ったり、景色を見たり、お酒を楽しんだり。
得るものは必ずあるでしょう。

実はそこに「移動」が加わると、効果は倍増します。
移動している間は、強制的に時間をとられます。
近道を行くことなどで多少の時間短縮はあるかもしれませんが、基本的には変わりません。

移動の時間で

「今日はどんなことを話そう」
「あの人の話楽しかったな」
「あの景色が綺麗だったな」
「次は隣のお店に行ってみたいな」

そんなことを考える時間が大事なのです。

移動時間を脳科学的に考えてみた

マインドフルネスは「今ここ」100%気持ちを向けている状態のことです。

今流行りのマインドフルネスとは?|効果をわかりやすく解説福業ブログ管理人のしゅうへい(@syuhey_)です。 毎日仕事や家事、育児が忙しい方、お疲れさまです。 近年、多くの企業が在宅ワー...

運転中なら運転に集中、読書中なら読書に集中。
100%気持ちを向けることが大切です。
食事に100%気持ちを向けることで、料理がよりおいしく感じたという事例もあるほどです。

ですので、移動時間は「移動に集中」しましょう。

脳の中心付近にある帯状回という部位は、ひらめきを起こす部位です。
実はこの帯状回は「考えていない時」こそ最大のパフォーマンスを発揮するのです。
余計なことを考えすぎると帯状回のパフォーマンスが落ちることがわかっています。

移動時間は次の予定のことや、今会ってきた人のことは考えず、電車に乗っていることに集中したり、車を運転していることに集中したりしましょう。
音楽なども聞かず、なるべく脳が働くことを控えるようにしましょう。
そうすることで、移動時間に帯状回が活発になり、新たなひらめきを産んでくれます。

【結論】賢く移動時間を使って効果を倍にしよう!


毎日忙しい現代人。
あまりボーっとできる時間はないですよね。
でも実はボーっとすることが新しいひらめきを産むのです。

Appleの創業者、スティーブ・ジョブズを瞑想を日課にしていたといいます。

ぜひ移動時間は何も考えず、マインドフルネス状態にして、帯状回を活発に働かせましょう!
ブレイクスルーが待っているかもしれませんよ!