マインドフルネス

マインドフルネス登山|忙しい人こそやりたい瞑想登山

「登山に何の意味があるの?」

筆者は長い間、登山に魅力を感じていませんでした。
ただ登って下りるだけ。
たしかに、紅葉シーズンなど、自然のキレイさには魅力を感じますが、紅葉を見たければ山である必要はありませんよね。
国立公園や県立公園など、車で行ける場所にもキレイな自然はあります。

しかし、マインドフルネスを学ぶに連れて、登山とマインドフルネスはとても相性が良いことに気づきました。
結論からいうと「日々、絶えず思考を回している人こそ、登山をした方がいい」です。
次にどこに足を置くかだけを考えることで、脳がすっきりし、新しいひらめきが生まれます。

それでは詳しく見ていきましょう!

瞑想と登山は同じ!?


近年、瞑想が流行っています。
宗教性を除外し、「今ここに100%集中する瞑想」が、新たなひらめきを生んだり、生産性を向上させたりすると、話題になっています。
「今ここに100%集中する」ことをマインドフルネスといいます。

Apple創業者のスティーブ・ジョブズをはじめ、世界の偉大な経営者が瞑想をしていたことは有名な話です。

瞑想をすることで雑念が消え、思考がすっきりクリアになります。
マインドフルネス状態に入れるのです。
実は登山も同じような効果があるとされています。

登山には「他のことを考えられないしんどさ」があります。
登山中は永遠にも感じる上り坂。
徐々に消えていく看板。
木の根っこや岩場などに感じる自然の雄大さ。

登山中は「次にどこに足を置くかだけに100%集中できる」状況を作ることができます。
これこそまさに「マインドフルネス登山」です。

街の散歩ではできない登山ならではの魅力


普段暮らしている街だと「数時間ただひたすらに歩くだけ」という単純な行為はとても難易度の高いことです。

✔️スマホの通知
✔️次の予定の時間
✔️すれ違う歩行者の話
✔️通行人や車・自転車
✔️至る所にある看板の文字

日常生活の街では、実は刺激が多過ぎるのです。
無意識に思考を引っ張られてしまい、「今ここに100%集中」できないのです。

登山をすることで、あらためて街で長い時間、ただボーッと歩くという行為が、いかに難しいかを痛感させられます。

また登山は、山の最寄駅を降りた瞬間から始まっています。
駅から山に入り、登山道に進む。
徐々に変わっていく風景のおかげで、少しずつマインドフルネス状態に入っていくことができます。

マインドフルネス初心者は、いきなりトップギアのマインドフルネス状態に入ることは難しいとされています。
登山は少しずつ看板などの刺激物がなくなり、ゆるやかにマインドフルネス状態に入っていくことができます。
これもマインドフルネス登山ならではの魅力です。

他のスポーツではなく登山の理由


近年はランニングなども流行っており、マラソンに出場する人も増えています。
「体を動かす」という観点から見ると、登山もスポーツも同じ。

しかし、マインドフルネスのためには、他のスポーツではなく登山がおすすめなのです。
ここでは登山がおすすめな理由を2つご紹介します。

①「山」という自然だから
②勝敗や記録に思考を引っ張られないから

①「山」という自然だから

山には、街で目を引く電子看板のような、一瞬で膨大な情報量を詰め込むような宣伝物はありません。
しかし、山には五感を研ぎ澄ますような自然があります。

✔️風向きの変化
✔️鳥や昆虫の鳴き声
✔️落ち葉を踏み締める音
✔️太陽の暑さや風の冷たさ
✔️登るにつれて変化していく植物

登山をする中で少しずつ変わっていく風景のおかげで、心を落ち着かせることができます。
刺激物を排した大自然の中に身を置くことで、自分の内なる気持ちを引き出し、自分が本当にしたいことに気づくことができます。
今抱えている悩みを客観視することができます。

街を歩くと、通行人や車、信号など、気をつけなければならないことがたくさんあります。
山の中に入れば、ただ歩く以外の行為が必要なくなる。

山はただそこにあるだけです。
マインドフルネス登山は、そのことに気づかせてくれます。

②勝敗や記録に思考を引っ張られないから

近年流行っているランニングだと、タイムが気になります。
フットサルやバスケットボールだと勝敗が気になります。
ヨガだと次のポーズが正しいかどうかが気になります。

山はただ歩くだけです。
次にどこに足を置くか、ただその一点に集中させられます。
登山開始から下山終了まで、ただその一点に100%集中できます。
その他のことに思考を引っ張られることはありません。

マインドフルネス登山の時の注意点


マインドフルネス登山をする際の注意点をまとめてみました。
登山としての注意点と、マインドフルネスをより効果的にするための注意点です。

①低山でも油断しない
②スマホは機内モードにする
③早朝など混雑しない時間を狙う

①低山でも油断しない

登山は危険がつきものです。
低山であっても油断してはいけません。

599mと低山で知られる東京の高尾山も、年間100件以上の救急搬送が要請されています。
「低山だから油断した」という事例も多々あるそうです。

低山であっても装備品の準備や事前の下調べ、準備運動、こまめな休憩など、油断しないでください。

②スマホは機内モードにする

せっかくの登山中に、スマホが鳴ると日常生活に戻されてしまいます。
しかし、スマホのカメラで写真を撮りたい方もいらっしゃるでしょう。
そのため、スマホは「機内モード」にしましょう。
電波を遮断して、通知が来ないようにします。

また、スマホが見えるところにあるだけで、生産性を低下させるという研究もあります。
可能であればスマホはリュックの中にしまっておきましょう。

③早朝など混雑しない時間を狙う

マインドフルネス登山は、今ここに100%集中するために行います。
余計な情報に思考を引っ張られることは、その目的に反します。
そのため、人の混雑を避ける必要があります。

春のハイキングシーズンや、秋の紅葉シーズンは、登山客がどっと増える時期です。
その時期に登山をするならば、早朝がおすすめです。
始発で山へ向かい、日の出より前に、または日の出とともに登山を開始しましょう。

混雑を避けることで、自分のペースで登ることに集中できます。

【結論】忙しい時こそやりたい!マインドフルネス登山

毎日働き続けると、なかなかボーッとする時間はとれないものです。
しかし、ボーッとする時間から、新しいひらめきは生まれるもの。
実際、マインドフルネス状態になると、脳のひらめきを司る「帯状回」という部分が、最も活性化されることがわかっています。

マインドフルネス登山は、仕事で煮詰まっている時こそ効果抜群。
ぜひ1度試してみてはいかがですか?