「海賊王に俺はなる!」
と言って冒険の海に出たモンキー・D・ルフィ。1997年連載が始まったマンガ・ONE PIECE。ルフィは連載25年の時を経て、個性豊かな9人の仲間を得ました。
ルフィ率いる麦わらの一味はたった10人と少数の海賊団ですが、数々の大物を打ち取ってきています。その強さの根源にあるものはなんでしょうか?
結論からいうと「目的に到達するための明確な目標」が大切です。麦わらの一味は、目的と目標が明確だからこそ強いのです。会社員は組織で働く以上、目的と目標を明確にする必要があり、その点において麦わらの一味に学ぶべき点があります。
それではここから詳しく見ていきましょう!
目的と目標の違い
目的と目標は異なります。簡単いうと、目的は最終的に到達したいゴールで、目標は目的にたどり着くための道標です。ですので目的は抽象的になり、目標は具体的になります。
たとえるとわかりやすいでしょう。
サッカー:目的→勝利、目標→ゴール(得点)を奪うこと
登山:目的→登頂、目標→チェックポイント
仕事:目的→自己実現、生計を立てる、目標→役に立つ、利益を上げる
表現としては、目的は「到達」、目標は「達成」となります。目標を1つずつ達成していくことで、最終的な目的に到達するのです。
麦わらの一味の目的と目標
麦わらの一味の目的は「ラフテル(最後の島)にたどり着くこと」です。これは揺るぎない明確な目的です。そのために、それぞれに明確な目標があるのです。
ルフィ:海賊王になる
ゾロ:世界一の大剣豪になる
ナミ:世界地図を描く
ウソップ:勇敢なる海の戦士になる
サンジ:オールブルーを見つける
チョッパー:万能薬になる
ロビン:空白の100年の歴史を解き明かす
フランキー:夢の船を造り最後まで見届ける
ブルック:世界一周を果たしラブーン(クジラ)に会いにいく
ジンベエ:魚人族に真の自由を勝ち取る
それぞれの目標を達成すれば、自然と麦わらの一味が強くなり、ラフテルにたどり着けるのです。組織はこうやって強くなっていくのです。
麦わらの一味に「入らなかった人」
麦わらの一味の旅はとても長く、多くの人たちと関わってきました。一時は「加入するのでは?」と予想された人もいましたが、結局は加入せず。加入しなかった理由まとめてみました。
ビビ……アラバスタ王国の王女として、国を愛し、国の復興・再建に力を入れたかったから。
ベンサム(Mr.2ボンクレー)……オカマ道を極めるため。
錦えもん……光月モモの助というワノ国の将軍を主人として崇拝し、国の復興・再建に力を入れたかったから。
ヤマト……自由に生きる、光月おでんになりたかったから。
全員共通して「ラフテルへたどり着くことは、目的にはならなかった」のです。いかにルフィはじめ、麦わらの一味と良好な関係を築こうと、目的が一致しなかったから、加入しなかったのです。
会社員が麦わらの一味に学ぶべき点
会社員として組織に属して働く上で、麦わらの一味の冒険に学ぶべき点は次の2つあります。
①目的を理解し目標を立てる
②目的に納得しなければ組織から抜ける
①目的を理解し目標を立てる
会社員として働く上で、会社の目的は明確なはずです。経営理念やビジョンなどで言語化されているでしょう(されていなかったら今すぐ言語化すべきです)。その目的を理解し、目的に到達するための目標を立てましょう。
麦わらの一味は、ゾロを始め9人の仲間の目標も明確でした。その目標を達成できれば、間違いなくラフテルへたどり着ける力を獲得できるでしょう。このように、目標を達成すれば間違いなく目的へ到達できるようにすることがおすすめです。
(例)
▼地域密着型の会社
目的:愛される会社
目標:毎朝会社の周りを10分掃除する
▼町のお弁当屋さん
目的:おいしい弁当で食べた人を笑顔にする
目標:弁当で何を食べたいかアンケートを1ヶ月で100通とる
②目的に納得しなければ組織から抜ける
会社の目的を納得できなければ、会社から抜けるべきです。転職や起業の道を模索しましょう。
ビビや錦えもんなどは、ルフィたちと強い信頼関係に結ばれていましたが、目的が一致していなかったため一味に加入しませんでした。ただ、加入しなくても今後も良好な関係を続け、お互いのピンチの時には助け合える仲です。
会社から飛び出しても、良好な関係を保ち続けることはできます。ビビや錦えもんのように、いつでもお互いを想い合うことで、大切なパートナーであり続けることができるでしょう。
達成しやすい目標の立て方
目標は、次の5つのポイントを守って立てると、達成しやすくなります。それぞれの頭文字を取って「SMARTの法則」といいます。
Specific 具体性
Measurable 計量性
Achievable 達成可能性
Relevant 関連性
Time-bound 期限
Specific 具体性
目標は、なるべく具体的にしましょう。サンジの「オールブルーを見つける」というように、具体物に置き換えるとわかりやすいですね。
Measurable 計量性
目標は、数値化によって目標達成率を可視化できるようにしましょう。ロビンは「空白の100年の歴史を解き明かす」という目標があります。長い歴史がある中で、100年にフォーカスを当てたのは、わかりやすいですね。
Achievable 達成可能性
目標は、目標達成が現実的なものにしましょう。ジンベエはルフィの力になることで「魚人族の真の自由の獲得」を目標にしています。自分の力への自信と、ルフィの可能性への信頼から、現実的と考えているのでしょう。
Relevant 関連性
目標は、事業や業務と直接関連しているものにしましょう。ナミは「世界地図を描く」ことを目標としています。航海士として活躍しながら世界地図を描くことは海賊としての本業に関連性があります。
Time-bound 期限
目標は、目標達成までの期限を明確にしましょう。チョッパーはワノ国時点で17歳。まだまだ長く生きることができます。「万能薬になる」という大きな夢を語っても、達成できそうですね。
【結論】海賊王という目標を達成してラフテルという目的へ
麦わらの一味が強く魅力的なのは、彼ら彼女らの意志の強さにあります。何があっても目標を達成し、目的に到達する。その強い意志が船を前に進めているのです。
会社員にも目標達成への強い意志が必要です。目的と目標。ワンピースを読んであらためて考えてみてはいかがですか?