「新しいアイディアがなかなかひらめかないなぁ……」
ビジネスマンとして日々過ごしていると求められるのが、「新規事業」ですよね。会社として成長するためにも、自身の給料を上げるためにも、世の中にまだない新しいアイディアが欠かせません。
しかし、新しいアイディアは、そう簡単に生まれるものでもありません。どうすればひらめきを生むことができるのでしょうか。
結論からいうと「オープンイノベーションを起こすこと」がおすすめです。プロ同士が協働することで、新しい価値を創造することができます。
それではここから詳しく見ていきましょう!
オープンイノベーションとは?
オープンイノベーションとは、2003年にアメリカ・ハーバード大学の経営学社、ヘンリー・チェスブロウ氏が発表した概念です。
チェスブロウ氏はIBMやIntelなどの競合する企業を研究することで、「自前主義で研究開発に最も投資した企業が勝てるわけではない」という規則性を発見しました。
研究開発をすべて自社で行う企業は、製品のリリースまでに時間がかかります。一方で研究開発に多く投資せず、自社と外部の知識を組み合わせて活用できる企業は、製品をより早くリリースでき、結果を出していたそうです。
オープンイノベーションには「アウトサイド・イン」と「インサイド・アウト」、「連結型」という3つのアプローチがあります。まとめると次のとおりです。
アウトサイド・イン | インサイド・アウト | 連結型 | |
アプローチの方向 | 外部→内部 | 内部→外部 | 内部⇔外部 |
キーワード | 外部調達、統合化 | 知的財産の販売 | ギブ&テイク、補完的 |
解説 | 外部の知識や技術を取り入れて自社の知識技術と合わせて活用する | アイディアを市場に投入して利益を得る | 補完的なパートナーとの間で価値を生み出す |
オープンイノベーション「インサイド・アウト型」の成功事例
ここからはオープンイノベーション「インサイド・アウト型」の成功事例を2つご紹介します。
①2万以上の特許を無償開放!トヨタ自動車の事例
②同業他社を推薦!世界一の朝食・カフェBillsの事例
2万以上の特許を無償開放!トヨタ自動車の事例
トヨタ社自動車は2014年、23,740件の特許を無償開放しました。
特許は持っているだけで使用料としての収入があります。その特許を2万件超、無償で開放したのです。これはトヨタ自動車における「インサイド・アウト型」のオープンイノベーションです。
特許の無償開放ですので、直接的な収入はありません。ただ、無償開放をした結果、自動車業界が盛り上がり、母数が増えれば、自動車業界のトップシェアを誇るトヨタ自動車の売上は増えることでしょう。
トヨタ社副社長の寺師氏は、「トヨタ的に儲かるものではありません。いろいろな人とビジネスをするというアピールになる。姿勢を示したい」といいました。これこそオープンイノベーションを推進するという強い意志表示です。
トヨタ自動車の事例はこちらで詳しく解説しています。
![](https://ohtsukasyuhey.com/wp-content/uploads/2022/12/1-15-320x180.jpg)
同業他社を推薦!世界一の朝食・カフェbillsの事例
2012年に「出没!アド街ック天国」で紹介され、一躍大人気店となったカフェ・bills。
当時まだ有名ではなかったbillsは、雑誌に取材をされる時、決まって別のパンケーキの店も取材してもらえるよう、記者に伝えていたそうです。こちらも、パンケーキという母数を増やすために行われた「インサイド・アウト型」のオープンイノベーションです
billsの事例はこちらで詳しく解説しています。
![](https://ohtsukasyuhey.com/wp-content/uploads/2022/10/1-3-320x180.jpg)
【体験談】オープンイノベーションを効率的に起こす3つのコツ
オープンイノベーションを効率的に起こす3つのコツをご紹介します。当ブログ管理人が会社員としてビジネスを進め、実際に体験してきた事例です。
①同業者は選ばない
②まずは利益度外視
③実績を積んで品質保証
①同業者は選ばない
たとえば、クロネコヤマトと佐川急便がタッグを組んで活動しても効果は低いでしょう。顧客側からすると、ヤマトに頼んでも佐川に頼んでも「配達」自体は変わらないからです。
異なる業界で活躍する企業とタッグを組んでオープンイノベーションを起こすと良いでしょう。
②まずは利益度外視
トヨタ自動車の事例のように、まずは利益度外視で始めることが必要です。利益度外視でオープンイノベーションを起こし、新しい価値を創造することが大切です。
billsは競合他社を紹介することで、「敵に塩を送る」ことをしていました。しかし、結果的に「朝食にパンケーキを食べる」という文化を創り、業界のリーディングカンパニーとなったのです。
③実績を積んで品質保証
オープンイノベーションが1つ成功したら、次は別の取引先を探しましょう。多くの取引先と取引があることで、実績が増えていきます。実績が増えるということは、品質保証にもつながります。
オープンイノベーションを起こし、多くの取引先と提携することで、さらなるオープンイノベーションを起こすこともできるようになるでしょう。
【結論】業界のファーストペンギンになるために必要なこと
トヨタ自動車もカフェ・billsも、それぞれの業界のリーディングカンパニーです。自動車業界、カフェ業界に大きな刺激を入れ、業界を盛り上げている企業です。
ファーストペンギンとは、集団で行動するペンギンの群れの中から、天敵がいるかもしれない海へ、魚を求めて最初に飛び込む1羽のペンギンのことです。最初に飛び込んだペンギンは、大きなリスクを抱えますが、代わりに多くの魚(リターン)を獲ることができるかもしれません。
業界のファーストペンギンになるためには、リスクを抱えてチャレンジしましょう。オープンイノベーションを実践すれば、業界のファーストペンギンになることができます。そして多くの魚を得る(成功する)ことができれば、業界のリーディングカンパニーになれることでしょう。
オープンイノベーション。ぜひ実践してみてくださいね!