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僕は吃音当事者です。マイノリティだからこそしたい隠さない生き方

「あ、あ、ありがとうございます」

僕は吃音当事者です。
吃音(きつおん)とは、言葉が詰まったり、言葉が不自然に伸びたり、言葉が出なかったりする障害です。
緊張などの心理状態とは関係になく、日常的にどもります。

吃音者は人口の1%の割合でいます。
つまり100人に1
圧倒的な少数派です。

本記事では、吃音当事者として30年以上生きてきた経験から、少数派の生き方について考えてみました。
結論からいうと、僕は「少数派=マイノリティは発信して目立つ必要がある」と考えています。

吃音者は、人前で盛大にどもったらいいんです。
それではいってみましょう!

吃音者が恐れているものの正体


吃音者は人前で話すことを苦手としています。
それはほとんどの場合、過去に辛い経験をしているから。

✔️小学校の国語の授業の音読や日直
✔️中学校の英語のスピーチ
✔️大学入試や就活の面接

これらは吃音者が、なるべく避けて生きてきた道です。

音読や日直の時にどもってしまって笑われてきました。
スピーチでは言いたいことが言えずに先生に注意されました。
面接では自分の気持ちを言葉で伝えられず悔しい思いをしてきました。
だから吃音者は人前で喋ることを避けているのです。

しかし、よくよく考えてみると「どもることは嫌なことではない」ことに気づきます。
どもった結果「人に笑われたり、誤解されたりすること」が嫌なことなのです。

吃音者は、障害自体ではなく、対人関係に不安を抱えているのです。

なぜ少数派は生きにくい?


吃音者は人口の
1%

残りの99%の人は非吃音者、つまり「どもらない人」です。
社会は「どもらない人」で作られているのです。

非吃音者は、どもらない人同士で話すことの方が多い。
だから吃音者がどもった時に違和感を感じるのです。
その違和感が嘲笑や指摘、誤解に変化を遂げるのです。

吃音という言葉に詰まる障害があることを知られていないから、諸悪の根源である違和感が生まれるのです。

風邪をひいた人を嘲笑はしませんよね。
風邪をひくことは誰もが経験する多数派のことだからです。

階段は、二足歩行が問題なくできる人のためにあります。
赤ちゃんや事故で身体の一部を失った人などの少数派に向けて作られたものではありません。

このように、世の中は「多数派=マジョリティ」の人が作っています。
だから吃音者が生きにくい世の中なのです。

想いを発信しないと少数派の気持ちは伝わらない


信号は、青の間に渡れる人のためにあります。
中には青の時間が極端に短い信号もありますよね。
歩行スピードがゆっくりな高齢者の方にとって、渡り切ることが難しい信号すらあります。

でも、中には青の時間を伸ばすボタンがついている信号もあります。
高齢者でも安全に渡れるように、社会の方が変わってきました。

これは日本が超高齢社会となり、高齢者の割合が増えたからです。
必然的に「高齢者が安全に暮らせる世の中を!」と、高齢者の想いを発信する人が増えてきたのです。

僕は吃音者も同じだと考えています。
吃音者は人前で盛大にどもるべきです。
その機会を増やしていけば「この人は吃音なんだ」という理解が進みます。
さらに認知が広がれば、吃音者にとって優しい社会に変わっていきます。

少数派の人間こそ、声を大にして発信していく必要があります。
だから僕は、仕事として毎週約300人の子どもに運動を教える仕事をしています。

子どもたちの前で盛大にどもり続けることで、「世の中には言葉に詰まる人もいるし、いてもいいんだ」と伝えています。

【結論】少数派は発信しよう!


少数派の人間は想いを発信していきましょう。

そうすれば自分たちも生きやすくなります。

堂々と発信することで、周りが理解してくれます。
さらに、社会もよりよく発展します。
少数派の想いを汲み取ることで、世の中の多様化がより進みます。

僕は自分が吃音であることを発信し続けています。
ありがたいことに、少しずつ理解者が増えてきている実感があります。
不思議なことですが、周りの人が理解してくれたら、喋ることへのストレスが無くなり、吃音が出にくくなりました。

治療法がないといわれている吃音。
もしかしたら、自身の吃音を堂々と世の中に発信することが、唯一の治療法かもしれません。

【出版しました】吃音の僕が喋ることを仕事にした理由会社員のしゅうへいです。 この度、Amazonの提供する電子書籍サービス「Kindle」から、電子書籍を出版しました。 タイトル...