コミュニケーション

傾聴・応答・質問|コミュ力を高めるカウンセリング技法とは

「また自分の話を長々してしまった…」

取引先や上司、部下。会社員として働いていると、欠かせないのがコミュニケーション。気をつけないと、つい自分の話を長くしてしまいますよね。相手の話を引き出し、相手の本心を知るためにはどのようにすればよいのでしょうか?

結論からいうと「傾聴」「応答」「質問」のスキルを上げることをおすすめします。カウンセリングの3技法を獲得すれば、コミュニケーション能力は自然と高まります。それではここから詳しく見ていきましょう!

なぜカウンセリングのスキルを高めるの?


カウンセリングとは、簡単にいうと相談に乗ることで成長や問題解決のサポートをすることです。もともとの意味は「相談」や「助言」です。アドバイスをすることはありません。自分自身で成長したり、問題解決をしたりするためのサポートをすることが、カウンセリングの目的です。

カウンセリングは、相手の話を「聴く」ことが中心となります。相手の話をさえぎって自分の話をすることはありません。

コミュニケーションが上手な人は「聴き上手」であることが多いです。人は自分自身に一番興味があります。話を引き出し、自分の話をさせてもらえる相手こそ、「コミュ力が高い」と思うのです。カウンセリングのスキルを高めて相手の話を引き出せるようになれば、自然とコミュニケーション能力が鍛えられるのです。

カウンセリング能力を高めるために


カウンセリング能力は、「傾聴」「応答」「質問」の3つのスキルから成り立っています。この3つをバランスよく鍛えることで、カウンセリング能力が高まり、相手の話を引き出せるようになります。ここでは「傾聴」「応答」「質問」の説明と、それぞれの高め方をご紹介します。

「傾聴」とは

傾聴は、相手の話に関心を持ち、相手の身になって理解しようとすることです。自分の主観や価値判断を伝えることは後回しです。傾聴の効果は、「自分の話をじっくりと聴いてもらえることで、心が落ち着いて安心する」「心理的な距離が近くなった感じがする」「相手に大切にされていると感じる」「自分は自分でいいんだと思うことができる」などがあります。

「傾聴力」の高め方

傾聴力を高めるためには、「うなずき」「あいづち」「繰り返し」がおすすめです。

💡うなずき

相手の話に対して「うんうん」といったり、首を縦に振ったりします。「あなたの話を聴いているよ」というサインを送ることになります。

💡あいづち

「なるほど!」「へー!」「そうなんだ!」など、相手の話に単語を挟んでいきましょう。驚きや喜び、悲しみなどの感情を直接表現する時に使う言葉を「間投詞」といいます。間投詞をなるべく多く入れていきましょう。

💡繰り返し

繰り返しはオウム返しのように、相手が使った言葉をそのまま使いましょう。別の言葉で言い換えてしまうと、細かなニュアンスが変わってしまいます。

上司:最近の週末はゴルフをしているんだ。
自分:週末にスポーツですか!健康的で素晴らしいですね!
上司:いや、取引先に付き合っているだけで、本当は自宅で体を休ませたいんだ。

上司:最近の週末はゴルフをしているんだ。
自分:そうなんですね!週末にゴルフをしているんですね!
上司:そうなんだよ、本当は自宅で体を休ませたいのに取引先の方に誘われちゃってさ。

「応答」とは

応答は、相手の経験したことや感じていること、望んでいることなどを的確に捉え、それを相手に確認することです。応答の効果は、「話を聴いていること、理解していることを伝えることができる」「自分の気持ちを分かってもらえた、受け入れてもらったと感じてもらうことができる」などです。

「応答力」の高め方

相手が言葉にできていないことや、あいまいなことをはっきりさせることが目的です。そのため、「そうしたくなるくらい、悔しかったんですね」「〇〇ということですね?」 というように、話の要点をまとめてあげましょう。

「質問」とは

質問は、相手に質問をすることで、言語化できていなかったことを言語化させたり、考えを明確なものに導いたりするものです。質問自体が相手への助言になります。質問の効果は、「質問されて考えるので、本当に主張したいことに気付く」「相手への積極的な関心を示し、疑問や不安の解消に役立つ」「自分の考えや気持ちを整理できる」などです。

「質問力」の高め方

質問力を高めるためには、Yes/Noの二択で答えられる「クローズドクエスチョン」と、回答の幅に制限がない「オープンクエスチョン」があります。相手が答えやすい質問からした方が相手の気持ちや情報を引き出せます。そのため、まずはクローズドクエスチョンから質問し、徐々にオープンクエスチョンへ移行するとよいでしょう。

【結論】3つのスキルを極めてコミュ力お化けに!

「傾聴」「応答」「質問」というカウンセリングの3つのスキルを高めることで、相手の奥底に眠っている本当の気持ちを引き出すことができます。当人も考えていなかった意外な気持ちに気づかせることができたら、コミュニケーション能力はかなり高まったといえるでしょう。

会社員として上司や部下、取引先など、相手の意見を伺う場面は無数に存在します。時には直接的に伝えてくれない相手もいるでしょう。そんな時こそカウンセリングのスキルを駆使し、相手の本心を引き出していきましょう。相手にとっての「コミュ力お化け」になりましょう!