マーケティング

スタバCEOハワードシュルツの生い立ちに学ぶ|人のために生きる人生

「スタバの新作飲みたい!」

期間限定の新作が出ると、何かと話題になるスターバックス
人と会うために、打ち合わせをするために、本を読むために。
様々な理由で訪れた方も多いと思います。

今や世界77カ国、約3万店に拡大したスターバックス。

✔️世界で厳選された豆
✔️素敵な不動産
✔️従業員の質の高いサービス

など、輝かしいブランド力を放っています。

その根底にあるものが、創業者のハワード・シュルツ氏の考え方
結論からいうと「人のために生きる」ことが、スタバをここまで拡大させてきました。

それでは詳しく見ていきましょう!

スタバCEOハワード・シュルツの壮絶な生い立ち


ハワード・シュルツ氏
は、ニューヨークのブルックリンで、低所得者層の両親の元に生まれました。
父は退役軍人で、第二次世界大戦から帰ってきてからはトラックやタクシーの運転手をしていました。
父親の収入が年間2万ドル(現在の価値で言うと280万円程度)を超えることはなかったようです。
両親共に教育を受けておらず、国の支援を受けることもありませんでした。

家計は苦しく、長男だったシュルツ氏も、幼いころから新聞配達などをして家計を支えていました。
その合間を縫って、母はシュルツ氏を大学に行かせるため、毎週水曜日に移動式図書館に通い、本を選んでシュルツ氏に読ませていました。

シュルツ氏が7歳の時に父親が骨折、働けなくなります。
そのことが影響して健康保険の権利を剥奪されてしまいます。
収入が途絶え、貧困が加速します。

シュルツ氏は懸命にアルバイトをして生計を支えます。
その上で母親の考えも伝わり、学業にも力を入れます。
結果、学業は優秀となり、奨学金で大学進学が決まりました。

ミシガン大学卒業後、印刷機器を製造・販売するゼロックスに入社し、営業として働きます。
その後、転職を繰り返し、雑貨会社に就職。
このころ、まだ自分が何をしたいかわかっていない時期でした。

転職先の営業相手の1つが、シアトルにあったスターバックス。
当時のスターバックスは、コーヒー豆や紅茶を販売する小売がメインでした。
スターバックスに魅了され転職し、マーケティングディレクターとして活躍します。

ある時、出張でイタリアのミラノのエスプレッソカフェを訪れた際、2つの衝撃を受けます。
それは「客がくつろぐ店内」「濃いエスプレッソコーヒー」でした。

家でも会社でもない場所でくつろげる環境。
アメリカンという薄いコーヒーとは対極のエスプレッソ
シュルツ氏はこれをアメリカに持ち帰り、スターバックスに提案するも、当時の経営陣が却下。

自らでカフェを起業し、客がくつろげる店内と、濃いエスプレッソコーヒーやジェラートの提供を始めます。
このお店が大成功し、作った資金380万ドルでスターバックスを買収。
その後は、スターバックスを世界的なコーヒーチェーンに拡大させたのです。

スタバが人気の理由


シュルツ氏は、イタリアのミラノで受けた衝撃をアメリカでも広げたいと願います。
次の3つの方針を掲げ、アメリカでスタバとしての活動を開始します。

①滞在時間に制限を求めない
②すべての客に満足してもらう環境
③サードプレイス

①滞在時間に制限を求めない

当時のカフェは、回転率を早めて利益を上げることを重要視されていました。
そのため店内のイスや机などの設備は最低限。
今は当たり前になっているコンセントプラグは、もちろんありません。

スターバックスは、その考えに逆行します。
ゆっくりできるソファやデスク、リラックスできるBGMなど、客が長く滞在できるようにし、自宅でも会社でもないサードプレイスを作り上げました。

②すべての客に満足してもらう環境

たとえば、スターバックスの1人用のテーブルは円状です。
これは、1人でも孤独を感じないようにするための施策です。
このように、1人でも複数人でも、誰でも満足できる環境を作ろうとしているのです。

③サードプレイス

客に対してはもちろん、従業員に対してもサードプレイスと思ってもらえるようにしています。
たとえば、正社員・アルバイト関係なく健康保険を適用したり、大学の受講料を援助したりしました。
他にも支援団体を通じて、食品の寄付なども行っています。

これはシュルツ氏が、幼いころに貧しかったことが起因しています。
幼くして働かなければならなかったシュルツ氏。
シュルツ氏は「私が作りたかったのは、従業員が大切にされ、かつ尊敬され、出身地、肌の色、教育のレベルを問わない会社です」と語っています。

【結論】シュルツ氏に学ぶ|何のために働くか

「本当に作りたかったのは居心地の良い場所です。深煎りコーヒーだけではありません」

会社員として働いていると、時に利益だけに集中してしまうことがあります。
もちろん、ビジネスには利益を上げる責任があり、会社員にはそのために時間を捧げる責任があります。

しかし「それだけでは浅はかだ。社会やコミュニティ、雇われる人々のためになる価値観やシステムを構築した上で、利益を上げることが大切」とシュルツ氏はいいます。

会社員は、会社に魅了されて会社員をしています。
その会社が社会のどのような課題に対して役に立っているか。
それを見失うことなく、仕事を全うしたいですね。