「ログインボーナスでポイントもらえた!」
日々、便利に過ごすためや、ゲームをするために使うアプリ。
今やアプリは、生活に欠かせない存在です。
時に「ログインボーナス」というプレゼントがもらえるアプリに出会うことがあると思います。
アプリにログインすることでポイントをもらえたり、お得情報を先行で入手できたり、「ちょっと嬉しい」ログインボーナス。
これにはどのような思惑があるのでしょうか。
結論からいうと「関わった回数を増やす」ねらいがあります。
ザイオンス効果を最大限発揮させようとしているのです。
ただしザイオンス効果には、負の側面もあるので注意が必要です。
それでは詳しく見ていきましょう!
ザイオンス効果とは
ザイオンス効果とは、接触回数が多いほど、ユーザーに親しみを感じてもらえるという心理効果のことです。
「単純接触効果」「ザイアンス効果」とも呼ばれます。
1968年にアメリカの社会学者ロバート・ボレズワフ・ザイアンス氏によって発表されました。
好印象を持つ対象は人やモノだけでなく、音楽、味、匂いなど多岐に及びます。
ザイオンス氏は、大学の卒業アルバムの中から抜き取った12人の写真を使って実験を行いました。
被験者に、12枚の写真を2秒間隔で見せます。
見せる回数は最小1回、最多で25回としました。
すべての写真を見終わってからそれぞれの写真を再び見せて、好感度を評価。
結果は、25回見せた写真の人に、最も好感を持ったということです。
ザイオンス氏は、同じような実験を図形でも行っています。
図形ですら繰り返し見たものに好感を持つという結果が出ました。
ザイオンス効果が起きる理由
ザイオンス効果が起きる理由としては、次の3つが考えられています。
①安心感
②ドーパミンの分泌
③返報性の法則
①安心感
相手のことを知っている、一度見たことがあるという事実が、対象に対して心を開くきっかけになります。
人間は生物として、生存本能を持っています。
知らない人やモノに対して、拒絶反応を起こすようにDNAレベルでインプットされています。
未知の人やモノは自分に危害を加える可能性がありますからね。
ゆえに「既知」は大きな安心感を与えてくれます。
好感は知ることから始まるのです。
②ドーパミンの分泌
知っているということで安心すれば、やる気や幸福感を高めてくれるドーパミンが分泌されます。
対象となる人やモノに触れることで、その対象の新しい側面を知ることになります。
新しい刺激は、脳にドーパミンを分泌するきっかけになります。
③返報性の法則
返報性の法則とは、相手から何かを受け取ったときに「こちらも同じようにお返しをしないいけない」という気持ちになる心理効果のことです。
対象となる相手が自己開示をすれば、自分も自己開示をしなければならないという気持ちになり、お互いのことをより深く知るきっかけになります。
【要注意】ザイオンス効果の負の効果
ザイオンス効果は、負の効果もあります。
やり方を間違えると、嫌われてしまう可能性も持つので注意が必要です。
最初の接触でマイナスの印象からスタートさせると、接触回数が増えれば増えるほど、逆効果となります。
目障りな広告や宣伝を何度も見せられたら、嫌気が差す経験は誰にでもあると思います。
ザイオンス効果は、第一印象がプラスや0の状態から始めることで、効果を上げることができます。
負の効果を引き起こす可能性があることも理解しておく必要があります。
ログインボーナスとザイオンス効果の関係
1日1回ログインすることでわずかなポイントがつくアプリのログインボーナス。
これはほんの僅かなポイントをプレゼントするというユーザー側のメリットを提示し、ユーザーから接触してもらうことを狙った施策です。
ポイントがもらえるので、ユーザーは好意的に接触し、ユーザーが勝手に好感度を高めてくれるようになっています。
また、次のようなこともわかっています。
①100ポイントを5回もらう
②500ポイントを1回もらう
結果的にもらえるポイント数は同じであっても、①100ポイントを5回もらう方が満足度が高くなりました。
*エムズコミュニケイトオリジナル生活者調査より
ユーザー側から接触してくれる「ログインボーナス」。
実はファンを作る機能として作用していたのです。
ザイオンス効果|その他の身近な例
ザイオンス効果を狙った、その他の身近な例をご紹介します。
①TVCM
短い時間で印象付けるテレビCM。
商品・サービスの魅力と、タレントさんの魅力を最大化させ、何度も見てもらうことで好感度を高めようとしています。
②リターゲティング広告
あるWebサイトを訪問したユーザーに対して、繰り返し広告を表示するPR方法です。
Webサイト訪問という行動から、興味関心に基づいています。
好印象からスタートさせる面でも、ザイオンス効果を発揮できる条件は整っているでしょう。
③メルマガ
商品購入や会員登録などでメールアドレスを提供することから始まるメルマガ。
お役立ちの情報提供からセールの案内、アフターサービスのお知らせなど、ユーザー側のメリットを配信することが多いです。
【結論】お役立ち情報で接触回数を増やそう!
接触回数が増えれば好印象を持つというザイオンス効果。
SNSやオウンドメディアでのPRが欠かせない現代において、顧客にファンになってもらうことは欠かせません。
企業など「接触したい側」の都合のいいお知らせだけでは、逆効果になります。
不要なセールのお知らせなどは厄介ですもんね。
そのお知らせが届く相手にとって、有益な情報を提供することを心がけましょう。
自分と関係を持って良かったと思ってもらうことから、好感度は上がっていきます。
「お役立ち情報」を発信していきましょう!