コミュニケーション

ファシリテーション|会議を効率的に進める8つのコツ

「この会議、必要?」
「会議ってめんどくさいよね……」

会社員は一生涯でかける会議の時間は、3万時間と言われています。年数にすると約8年分。かなりの多くの時間を会議に費やしています。会議中の時間は利益を生めず、生産性が下がります。どうすれば会議の時間を短くすることができるのでしょうか。

結論からいうと「ファシリテーション」を使うことをおすすめします。「ファシリテーター」の役割が、会議の充実度も満足度も高めてくれます。

本記事では、会議をスムーズに進めるファシリテーターとしてのコツをまとめてみました。それでは詳しく見ていきましょう!

ファシリテーションとは


ファシリテーションとは、簡単に言うと「会議をスムーズに進める技法」のことです。会議の参加者へ発言を促し、様々な意見を出してもらいながら整理し、最終的に議論をまとめるまでをサポートする一連の役割のことを指します。

会議は時に対立することもあるでしょう。そのような時もお互いの主張を聴き、論点をまとめ、会議の本筋から遠ざからないようにサポートしていきます。

ファシリテーションを担当する人のことを「ファシリテーター」といいます。ファシリテーターというと「会議の司会役」と思われがちですが、本質的には異なります。ファシリテーターは、会議の参加者のそれぞれの強みを発揮できるようにサポートし、よりよい課題解決・合意形成を担うことを目的としています。ただ時間を測って進行すればいいだけではありません。

一生涯の会議は3万時間!


人手不足が叫ばれる昨今、多くの業界で長時間労働が続いています。そんな中で会社員が一生涯で会議に費やす時間は3万時間と言われています。年数にすると約8年分。人生の貴重な多くの時間を、会議に費やしているのです。であれば、少しでも会議の時間を短くし、生産性を高める仕事をしたいものです。

たとえば、こんな会議はファシリテーターの動きで短縮することができます。

✔️会議中の1対1の口論

活発な議論は歓迎されるべきですが、特定の2人が永遠と口論している時間は不要です。ファシリテーターが打ち切ることで、その時間をカットできます。

✔️発言しない人の出席

会議をスムーズに進めるための人数は4〜10人程度と言われています。10人以上の人が集まると、発言できない人が出てきます。発言しない人が会議に出席する必要はありません。議事録のチェックで十分です。

Googleの会議の最大参加者は8人です。
Apple創業者のスティーブ・ジョブズ氏は「会議の参加人数が多いから」という理由で、当時のオバマ大統領からの有識者会議の招致を断ったと言われています。

✔️否定されるのが怖くて言えない人の出席

ファシリテーターの役割の1つとして「安心安全な環境作り」があります。誰もが安心して思ったことを発現できるようにしてから会議を始めます。否定されるのが怖くて発言ができない人がいたら、その人の貴重な時間を奪っていることになります。ファシリテーターの存在で、誰もが会議の当事者となり、時間を有効に使うことができます。

スムーズなファシリテーションのコツ【8選】


スムーズなファシリテーションをするためには、次の8つのポイントが意識しましょう。「会議前」「会議中」「会議後」の場面に分けてご紹介します。

■会議前

①目的を明確にして共有する
②安心安全な環境を作る

①目的を明確にして共有する

会議の目的を言語化し、すべての参加者に共有をしましょう。また、議題の一覧や参加者などを記載したアジェンダも共に共有しましょう。遅くとも前日までは共有をします。共有はなるべく早くすると、参加者も準備がしやすくなりますね。

②安心安全な環境を作る

会議中のルールを公表し、活発な議論を引き出しましょう。たとえば「意見に対して否定は禁止」「発言者の発言を最後まで聴く」などがあります。事前にルールを共有することで、発言に対する安心感を持つことができます。

■会議中

③中立の立場で傾聴する
④全員に話を振る
⑤話を深く・広く掘り下げる
⑥会議の合意に導く

③中立の立場で傾聴する

ファシリテーターは中立の立場で話をしましょう。どちらかの意見に偏ってしまうと、反対側の意見が出にくくなります。活発な議論から、よりよい結論を導くために、いつでも中立的立場を守りましょう。

また、「共感的理解」「無条件の肯定的関心」「自己一致」を大切にした傾聴をすることで、発言者の話を深く掘り下げることができます。

傾聴について詳しくはこちらから。

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④全員に話を振る

発言しない参加者は、いないものと同じです。貴重な時間を無駄に使わせてしまっています。すべての参加者が同じ量の発言ができるように配慮し、話を振っていきましょう。ただし、意見が言えない場合もあると思います。その場合は「質問でもOK」とすることで、何かしらを言いやすくなります。

⑤話を深く・広く掘り下げる

発言者の話を深く掘り下げましょう。「なぜそう思ったのですか?」「いつそのように感じたのですか?」「具体的なエピソードはありますか?」など、話を発展させられるように掘り下げていきます。また、話を広げるために、発言者の意見に対してどの感じたかを他の人に振ってみてもよいでしょう。

⑥会議の合意に導く

意見が出尽くしたら、いよいよ会議をまとめていきます。理想は、誰かの意見に偏った結論を出すのではなく、全員の意見の良い部分を抽出した結論を出すことです。ただ、毎回の会議で全員の意見を抽出することは、現実的に難しいです。だからこそ、「全員が発言している」という事実を作ることが必要なのです。全員が発言していたら当事者意識を持つことができます。結論に導く前に、全員が発言できるようにしましょう。

■会議後

⑦議事録の共有
⑧会議の評価

⑦議事録の共有

議事録を早めに共有しましょう。可能であれば会議のあった当日中、難しくても翌日中には共有をします。人間は、1時間後に56%、1日後に67%忘れます。早めに議事録を共有し、復習をしてもらうことで、会議の情報が長期記憶に格納され、忘れなくなります。

⑧会議の評価

次回の会議をよりよくするために、参加者にフィードバックをもらいましょう。ファシリテーター側と参加者側では、感じ方が異なります。「もっと〇〇してほしかった」「この点は良かった」などを聴き、次の会議に活かしましょう。

【結論】ファシリテーターの仕事は準備が8割

会議を効率化させるための、ファシリテーターの役割をご紹介しました。生涯で3万時間かかると言われている会議。その時間をいかに減らして生産性を高めるかは、ファシリテーターにかかっています。

ファシリテーターは「目的の共有」「会議のルールの設定」、さらには「参加者の分析」「事前の意見抽出」など、会議前の準備が大切です。「段取り8割、仕事2割」と言われるように、会議の成功はファシリテーターの準備にかかっています。

入念な準備のもと、実りのある会議を進めていきましょう!