コミュニケーション

1on1ミーティングは意味ない?実践者の口コミ・評価まとめ

「1on1ミーティングは時間の無駄」

ヤフーや楽天、DeNAなどが取り入れて話題を集めている「1on1ミーティング」。変化が激しく、不確実な社会を生き抜くために必要な人材を育てるとして、今注目されています。ヤフーでは、毎週全社員が上司と1on1ミーティングを実施しています。

しかし、導入していない会社からすると、毎週1on1ミーティングをするだけの時間をかける効果があるか、疑問に思いますよね。ただでさえ人手不足で、残業をしてもらっている現状。これ以上時間をかけることに、どうしても後ろ向きになってしまいます。

本記事では、本当に1on1ミーティングの効果や、取り入れた効果を、口コミや評判をまとめてみました。

それでは詳しく見ていきましょう!

1on1ミーティングとは


ヤフーや楽天、DeNAなどが導入している1on1ミーティング。まとめると次のとおりです。


ヤフーの1on1 部下を成長させるコミュニケーションの技法

人材育成目的の個人面談
週1〜月1程度の頻度
・1回15分〜30分程度
・主に上司と部下で行う
・上司による指導の場ではない
上司は傾聴し部下を評価しない
・話題はプライベートからキャリア支援まで

人は成長するために①具体的な経験→②内省→③教訓化→④教訓を適用というステップを踏むとされています。

具体的な経験.pngアメリカの心理学者、デイビット・A・コルブ氏が提唱

1on1ミーティングは、主に上司と部下で行い、上司は部下の話を傾聴します。部下が自身の経験を話すことで、内省し、教訓化していきます。1on1ミーティングは、部下の内省、教訓化を手助けし、成長にブーストをかけることができます。

「学びのサイクル」について、詳しくはこちらから。

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1on1ミーティングは不要と感じる理由と対策

1on1ミーティングは不要と感じる方も多く見られます。その主な理由と対策についてまとめてみました。

①時間がない
②話すことがない
③指導の場になってしまう

①時間がない

不要と感じる人の多くは「時間の無駄」と考えています。1on1ミーティングは定期的に実施する必要があり、その時間は通常業務を進められません。

人手不足の昨今、1on1ミーティングより目先の仕事を進めたくなります。得に繁忙期と重なると、いそがしさを理由に、1on1ミーティングを実施できなくなり、そのまま無くなってしまうこともあります。

対策として「短時間での実施」「かける時間に差があってもよい」と割り切ることが挙げられます。たとえ短時間であっても定期的に行うことの方が大切です。また、繁忙期であれば短く、閑散期であれば長く実施すると、流動的に行ってもOKです。大切なのは、定期的に実施することです。

人は接触回数が多いほど、好意が増すという心理作用が働きます。これを「ザイオンス効果(単純接触効果)」といいます。ですので5分などの短時間であっても、定期的に1on1ミーティングを実施することが大切です。

「ザイオンス効果」はこちらで解説しています。

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②話すことがない

1on1ミーティングは、上司にとっては傾聴の時間です。部下に話してもらうことが必須です。とはいえ、部下も何を話していいか困ってしまいますよね。

対策としては、部下にできることと上司にできることがあります。

▼部下にできる対策
「事前に話題を考えておくこと」
「プライベートな話もOK」

▼上司にできる対策
「プライベートな話をしやすい雰囲気を作る」

事前に上司が「プライベートな話でもいいよ」と伝えておくことで、部下は話しやすくなります。1on1ミーティングを充実させるためには、事前準備が大切です。

③指導の場になってしまう

上司が傾聴できず、つい部下への指導の場となってしまうことがあります。指導の場になってしまうと、1on1ミーティングの真価が発揮されません。

上司のとって1on1ミーティングは、あくまで傾聴の場です。たとえば「拡張話法」などの聴くテクニックを用いて、部下の話を引き出し、部下が内省できるようにしましょう。

「拡張話法」はこちらで解説しています。

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Twitter上の口コミ・評価


ここからは、Twitter上で「1on1ミーティング」の口コミや評価を集めてみました。

距離が縮まることが何よりも収穫

「本音でお願いします」と伝えても、なかなか本音で話せないのが正直なところです。本音で話せるように、心理的安全性を確保したいですね。

「心理的安全性」はこちらで解説しています。

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音質悪くて聞き取れない

オンラインで実施する場合は、開始直後に音質のチェックなどが必要ですね。

自由面談と何が違うんだ?

1on1ミーティングは、部下のための時間であり、指導や管理の時間ではありません。上司は肯定的な姿勢で、傾聴し、部下の気づきを促します。そうでなければ、1on1ミーティングの実践者が間違えている可能性があります。

平等に語りかけてくれる

心理的安全性が保たれている素晴らしい1on1ミーティングです。

30分くらいがお互い限界

1on1ミーティングは、1回で長時間行うよりも、短時間で複数回実施する方が効果が高まるといわれています。半年に1回、2時間ではなく、毎週10分の方が効果が出ます。単純接触回数が多い方が、好意は高まるという「ザイオンス効果」の影響です。

継続は力なり。まずは毎週10分から始めてみよう!

1on1ミーティングは、短時間であっても定期的に実施することで効果を高めるといわれています。毎週10分、部下の成長のために時間を確保してみてはいかがですか?


『ヤフーの1on1 部下を成長させるコミュニケーションの技法』著者:本間浩輔
2012年、社長交代による新体制発足と同時に始まった「1on1ミーティング」は、ヤフーの組織を活性化させた。毎週1回、原則30分を部下とのコミュニケーションに充てる。たったそれだけのことが、実は難しい。では、ヤフーはどうやって制度として定着させ、風土を変えたのか。