「今日も会議で何も言えなかった……」
「上司に言いたいことがあるんだけどなかなか言えないなぁ」
間違ったことを言って叱られるのが怖い、おかしなことを考えていないか不安。組織で働いていると、時に言いたくても言えないことがあります。なぜ言いたいことを素直に言えないのでしょうか?
それは「心理的安全性が低い」可能性があります。心理的安全性の高いチームを作ることができたら、今以上に意見が活発になることでしょう。
本記事では、心理的安全性の定義や効果、どうやって心理的安全性の高いチームを作るかをご紹介しています。
それでは詳しく見ていきましょう!
「心理的安全性」とは?
心理的安全性とは、誰もが安心して自分の考えを発言したり、行動に移したりすることができるかどうかを指した言葉です。
1999年にアメリカの組織行動学の研究者であるエイミー・エドモンドソン教授によって提唱されました。
心理的安全性が注目され始めたのは、2016年ごろからです。
Googleが2012-2015年に生産性を向上させるために実施した「プロジェクトアリストテレス」によって、チームの生産性向上のためには心理的安全性が重要であることが結論づけられました。
ここから心理的安全性が注目され始めたのです。
心理的安全性の高いチームの特徴
心理的安全性の高いチームの特徴として、下記のポイントが挙げられます。
①意見の対立がある
②相談が生まれやすい
③ユニークなアイディアが生まれやすい
①意見の対立がある
心理的安全性が高いと、誰もが考えを正直に発言することができます。意見の対立があるということは、率直に言えている証拠です。
②相談が生まれやすい
できないことやわからないことを発言することは、足を引っ張るのではないかと不安に思うものです。ですが、心理的安全性が高いと、気軽に相談することができ、その結果ミスを減らすことができるのです。
③ユニークなアイディアが生まれやすい
心理的安全性が確保されていると、時に雑談が増えることもあります。自分の意見を躊躇なく発言することができるので、その中からユニークなアイディアが生まれることがあります。
心理的安全性の低いチームの特徴
一方で、心理的安全性の低いチームの特徴として、下記のポイントが挙げられます。
①否定的な言葉がけが多い
②成長しない環境になる
③干渉しなくなる
④チャレンジできない
①否定的な言葉がけが多い
チームのメンバーが「無知だと思われる不安」を抱えていると否定的な言葉がけが増えます。「前にも教えたでしょ?」「なんでそんなこともわからないの?」などの言葉が聴こえてきたら注意が必要です。
②成長しない環境になる
チームのメンバーが「無能だと思われる不安」を抱えていると、成長しない環境になります。たとえばミスをしてしまった時、ミスを報告すると無能だと思われることが怖くなり、報告できなくなります。そしてどんどんミスが深刻化していくのです。
③干渉しなくなる
チームのメンバーが「邪魔をしていると思われる不安」を抱えていると、コミュニケーションが減り、メンバー同士の干渉が減ります。自分に関係のないことは人任せになり、助け合うことができなくなります。
④チャレンジできない
チームのメンバーが「ネガティブだと思われる不安」を抱えていると、チャレンジできなくなります。サービスも商品もクオリティを高めるためには議論が必要です。対立意見が必要な時もあります。しかし、心理的安全性が低いと、対立意見が批判的と受け取られることが怖く、チャレンジできなくなってしまいます。
心理的安全性が高いチームの作り方
心理的安全性の高いチームを作るためには、無知・無能・邪魔・ネガティブの「対人リスク」を取り除くことが有効です。そのためには、次の4点が重要だとされています。
①感謝、挨拶を欠かさない
②多様な立場と意見を尊重する
③平等に発言できるようにする
④助け合える仕組みを作る
①感謝、挨拶を欠かさない
特に上司などの立場が上の人が、部下などの立場が下の人に対して、感謝や挨拶を欠かさず行いましょう。当たり前なようで意外と難しい感謝。昨日1日で何回部下に「ありがとう」と言いましたか?その出来・不出来は一旦横に置き、まずは業務を完了してくれたことについての感謝の気持ちを伝えましょう。
感謝と挨拶は、最も簡単に心理的安全性を高めることができ、最もダイレクトに作用します。
②多様な立場と意見を尊重する
生まれ育った場所も、毎日の食事も、過去にしてきた経験も、1人として同じ人はいません。それぞれの立場や考え方が異なるので、多様な意見が出るのは当然のことです。まずは肩書きよりも「それぞれの立場」を尊重する姿勢を持ちましょう。
異なる意見を受け入れてくれる環境は、心理的安全性を高めてくれます。
③平等に発言できるようにする
発言権が限られた一部にしかないと、自分はそのチームの一員ではないと感じさせてしまいます。反対に、平等な発言権があると、チームの一員として認めてくれたという安心感を感じることができます。
上司など立場が上の人は、積極的に立場がしたの人の意見を聴くようにしましょう。
④助け合える仕組みを作る
人は誰でもミスをする生き物です。個々でのミスを防ぐ努力は必要ですが、それでもミスは出るものです。チームで確認や共有などを進めることで、ミスを防ぐことができます。また、お互いの強みを理解しておくことで、生産性を高めることにもつながります。
心理的安全性が高ければ、助け合えることができ、結果として生産性が高まるのです。
【結論】心理的安全性は今日から作ろう!
人間は、2人以上集まればチームです。
また、家族やパートナー、恋人、友達など、チームは仕事に限定されません。人は1人では生きていけません。だからこそ、何でも言える「心理的安全性」は、欠かせないのです。
心理的安全性が高い職場は、離職率が低いそうです。
今日から心理的安全性を高めていきましょう!
心理的安全性を高めるために個人でできることは、ビジネスコミュニケーションスキルを高めることです。ビジネスコミュニケーションについて興味があればこちらもどうぞ。