「上司に信頼されていないような気がする……」
「先輩の言っていることがイマイチ理解できない……」
会社員として組織で働くと、必ずいるのが上司・先輩。
その全員が必ずしもわかりやすい説明や指導をしてくれるとは限りません。
時には上司や先輩の言っていることを理解できない時もあるでしょう。
上司や先輩の伝え方にも問題があるかもしれませんが、わからないことを質問できない時もありますよね。
良くないとわかっていながら、指示待ちになってしまう時もあるでしょう。
上司や先輩の指示を的確に理解し、自分から行動するためにはどうすればよいのでしょうか。
結論からいうと「社会人基礎力・メンバーシップスキル」を鍛えることをおすすめします。
正しく指示を受け取ることで、仕事の効率化や成果の質の向上ができ、上司や先輩から信頼を勝ち取ることができます。
それではここから詳しく見ていきましょう!
社会人としてのOS|社会人基礎力とは
社会人基礎力とは、経済産業省が2006年に提唱した考え方です。
職場や地域社会で、多様な人々と共に仕事をしていくために必要な基礎的な力のことです。
社会人として、どんな職種であっても必要な共通能力とされています。
例えるなら、社会人基礎力が「OS」、それぞれの職種や業界で活躍するために必要な能力が「アプリ」でしょう。
時代に取り残されないように、OSとアプリ、どちらもアップデートし続けることが必要です。
具体的には「3つの能力・12の能力要素」で構成されています。
①前に踏み出す力
前に踏み出す力は、指示待ちにならず、物事を自分ごととして捉え、自ら行動できるようにする力のことです。
・主体性 | 物事に進んで取り組む力 |
・働きかけ力 | 他人に働きかけ巻き込む力 |
・実行力 | 目的を設定し確実に行動する力 |
②考え抜く力
考え抜く力は、論理的に考え、自ら課題を提起し、解決のためのシナリオを描く思考力のことです。
・課題発見力 | 現状を分析し目的や課題を明らかにする力 |
・計画力 | 課題の解決に向けたプロセスを明らかにし準備する力 |
・創造力 | 新しい価値を生み出す力 |
③チームで働く力
組織の内外を問わず、多様な人との繋がりや協働を生み出す力のことです。
・発信力 | 自分の意見をわかりやすく伝える力 |
・傾聴力 | 相手の意見を丁寧に聴く力 |
・柔軟性 | 意見の違いや立場の違いを理解する力 |
・状況把握力 | 自分と周囲の人々や物事との関係性を理解する力 |
・規律性 | 社会のルールや人との約束を守る力 |
・ストレスコントロール力 | ストレスの発生源に対応する力 |
メンバーシップとは
メンバーシップとは「組織に属するメンバーが自身の役割を果たし、組織やチーム全体に貢献すること」です。
自身の役割を果たすことが求められるスキルです。
管理職であれば「リーダーシップ」、管理職を補佐する立場であれば「フォロワーシップ」が、メンバーシップと同義になります。
メンバーシップは自己の主体性が問われます。
指示待ち人間にならず、自分で課題を見つけ、主体性を持って動いていく必要があります。
それが「組織やチーム全体に貢献すること」につながります。
もちろん、与えられた仕事を確実に遂行することも求められます。
確実な遂行のために、自己研鑽を続け、学び続ける姿勢が鍵となります。
ちなみに、「メンバーシップ型雇用」という言葉があります。
先に人材を確保し、そのあとに仕事を割り当てる方法のことです。
与える仕事を確実に遂行できるように、研修なども実施していきます。
行動経済成長期の日本は、このメンバーシップ型雇用を充実させ、優秀な人材を確保してきました。
メンバーシップ型雇用は、「終身雇用」「年功序列」「企業別組合」などの特徴を持っています。
指示待ち人間にならない!メンバーシップを高めるために部下ができること
指示待ち人間にならないためには、メンバーシップを高めることが必要です。
メンバーシップを高めるためには、次の3つがおすすめです。
①拡張話法で質問をする
②自分の強みと弱みを知る
③緊急でなく重要なことを優先する
①拡張話法で質問をする
わからないことは質問をしましょう。
上司に意見を求められた時、上司に意見を伝えるハードルは高いですよね。そんな時は、自身の意見ではなくわからないことを質問します。何も言わないより質問をすることで「考えている」と印象を与えることができます。
「感嘆→反復→共感→称賛→質問」の流れで話を展開する「拡張話法」という話し方がおすすめです。
②自分の強みと弱みを知る
まずは自分自身を知ることが必要です。
もともと発信をすることが得意な人もいます。自身の考えの発信を恐れない人は、上司に対しても積極的に発信していきましょう。もともと発信が苦手な人は、そのことを上司に伝えましょう。会社員として組織で働く以上、上司も仲間です。仲間の強みと弱みを把握できた方が、お互いを助け合い、生産性を高めることができます。
自分の強みを5つ知るなら「ストレングスファインダー」がおすすめです。
③緊急でなく重要なことを優先する
確実な時間管理も、指示待ち人間にならない方法の1つです。
すべての物事は「重要度」と「緊急度」の2軸で、次の4つに分けることができます。
第1領域|重要かつ緊急
第2領域|重要だが緊急ではない
第3領域|重要ではないが緊急
第4領域|重要でも緊急でもない
このうち、「第2領域|重要だが緊急ではないこと」を優先しましょう。
緊急ではないことはいずれ緊急なことになります。
重要なことはいつまでも重要なことです。
ここを最優先にしたスケジュールを組むことで、指示待ち人間にならず、主体的に動けるようになります。
指示待ち人間を作らないために上司ができるたった1つのこと
部下が指示待ち人間にならないために、上司ができることはたった1つです。
それは、「心理的安全性を確保すること」です。
心理的安全性とは簡単にいうと「何でもいえる安心感のある関係性」のことです。
部下が上司に思ったことを言えないのであれば、それはすでに心理的安全性が破綻しています。
その結果、指示待ち人間を生み出してしまうのです。
部下が指示待ち人間になってしまうのは、部下だけの責任ではありません。
もちろん部下も指示待ちにならないように努力をする必要があります。
しかしそれ以上に上司も、部下を指示待ち人間にしないように、職場に心理的安全性を保つ必要があります。
次のような行動で、職場の心理的安全性を保つことができます。
①感謝、挨拶を欠かさない
②多様な立場と意見を尊重する
③平等に発言できるようにする
④助け合える仕組みを作る
心理的安全性について詳しくはこちら↓
【結論】メンバーらしく困っている人を助けよう
メンバーシップは「Member」と「Ship」を組み合わせた言葉です。
「Ship」の語源は「Shape」=「形作るもの」です。
つまりメンバーシップとは、「メンバーをメンバーらしくさせるもの」のことです。
会社員として組織で働くならば、メンバーの一員である必要があります。
上司や同僚が困っていることを考え、解決できるように助けることが、メンバーシップです。
メンバーシップを高めることができたら、どんどん信頼が積み上がっていくでしょう。
メンバーシップのスキルは、トレーニングで鍛えることができます。
無料診断と、プロによる60分程度のアドバイスを受けることができます。
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