コミュニケーション

5Why?思考法|トヨタ式カイゼン方法とは

「上司にOKを出してもらえない」
「失敗をまた再発してしまったなぁ」

ビジネスの本質は、課題の解決です。
誰かが抱えている課題を解決することで価値が生まれ、その価値が利益につながります。
つまり課題を理解し、解決する具体的な方法を提供する必要があります。

ですが、課題の解決は簡単ではありません。
解決できず、労力と時間だけがかかってしまうことも多いでしょう。

このような時は、5回「Why?(なぜ?)」を繰り返すことをおすすめします。
5回「Why?」を繰り返すことで、課題の本質を把握することができます。
日本が世界に誇るトヨタ自動車でも取り入れられている方法です。

それでは詳しく見ていきましょう!

すぐに答えを求めてはいけない

課題を解決するためには、何かしらの方法が必要です。

効率よく課題を解決するために、方法A、方法B、方法Cと、様々な方法を生み出し、試してみました。
しかし、課題は解決されませんでした。

これはよくあるビジネスの失敗例です。
この失敗は、大切なことを見落としています。
それは「課題の本質に気付いていない」ということ。

たとえば、とあるコンビニエンスストアの収益がなかなか上がらないとします。
収益は「顧客数×単価」によって導き出されます。
つまり収益を上げるためには「顧客数」を増やすか、「単価」を上げるかのどちらかを改善することが求められます(またはどちらも改善するという方法もあります)。

顧客数を増やすためには

・費用をかけ、広告を打って新規顧客を増やす
・クーポンなどを発行してリピーター客を増やす

という方法があります。

単価を上げるためには

・凝った商品を販売する
・セットでお得などのキャンペーンを展開する

などの方法がありますね。

ですが、これらの方法を試す前に、「収益が上がらない」という課題の本質を考える必要があります。
もしかしたら「収益が上がらない」という課題の本当の理由は「人件費の高騰」という支出が多いからかもしれませんし、「コンビニ激戦区」という市場の課題かもしれません。

人は「解決法らしきこと」を見つけたら、思考を止めてしまう習性があります。
問題らしきことに直面した時に、すぐに答えを出そうとせず、じっくりと考えて問題の本質を突き止めることが必要です。
言い換えれば、物事を正しい方法で、正しいレベルまで考えることが大切です。

Why?を5回繰り返そう!

トヨタ自動車では、問題らしきことにぶつかった時、5回「Why?」を繰り返すことを推奨しています。
5回「Why?」を繰り返すことで、問題の本質にたどり着くことができるからです。

そして問題の本質にたどり着くことができれば、根本から改善でき、再発を防止することができます。

たとえば先程の「コンビニの収益が上がらない」という課題。

Why①なかなか収益が上がらないのはなぜだろう?

そういえば最近客足が鈍ってきたな。

Why②客足が鈍ってきたのはなぜだろう?

道路の向かい側に最近できたコンビニが人気みたいだ。

Why③なぜ向かいのコンビニは人気なんだろう?

向かいのコンビニは、絶え間なくスイーツの新製品を販売しているようだ

Why④なぜ新しいスイーツで客がとられるのだろう?

SNSでスイーツの新商品を検索してみたら、驚くほど多くの検索結果が表示された

Why⑤なぜこんなに新商品の投稿があるのだろう?

インスタのインフルエンサーとコラボしてスイーツの新商品販売をしているようだ

「Why?」を5回繰り返したら、「インフルエンサーとのコラボによるSNS効果」という課題の本質にたどり着くことができました。

上記で挙げた「広告を打つ」「クーポン発行」「凝った商品を販売」「セットでお得」という対策は、課題の本質を捉えていませんでした。

本質にたどり着かずに対策を打ってしまうと、課題解決につながらない無駄な支出となってしまいます。

課題の本質を捉えずに対策だけ打っていると、支出ばかり増えてしまい、経営資源を圧迫します。

そして他事業へ悪影響を与え、組織の脆弱化につながるのです。

【まとめ】考え続けること

問題らしきことにぶつかったら、すぐに答えを見つけようとせず、Why?を5回繰り返してみましょう。
課題の本質を捉え、本質への対策を打てた方が、圧倒的に速いスピードで成長することができます。

優れた価値を創造するために、深く・広く物事を見て、本質を見極めた思考をしていきましょう!