「話が長くて伝わらないと指摘された……」
「自分でも何が言いたいのかわからなくなってきた……」
プレゼンや営業の成果が出ず、自分も混乱して何が言いたいかわからなくなる経験、誰でも一度や二度はあると思います。こちらの想いが強くなり過ぎて、自分の話が長くなってしまい、気づいたら相手が飽きていたということもしばしば。
どうにか改善したいものの、急にお笑い芸人などのように饒舌になれるわけもありません。「コミュ力お化け」にはなれずとも、少しでも相手に伝わりやすい話をしたい。このような時はどうすればよいでしょうか?
結論からいうと「ポインティング法」がおすすめです。数字を利用して話をまとめ、キャッチコピーをつけることで、全体像が描けるので、相手に伝わりやすくなります。
それではここから詳しく見ていきましょう!
ポインティング法とは
今日私がみなさんにお伝えしたいのは、自分の人生から学んだ3つの話です。それだけです。たいした話ではありません。たった3つです。
2005年、Apple創業者のスティーブ・ジョブズ氏がスタンフォード大学の卒業式でしたスピーチの冒頭です。このスピーチは、「伝説のスピーチ」として語り継がれています。
ポインティング法とは、ジョブズ氏のスピーチのように、伝える内容の数を先に伝え、順を追って説明していく方法です。これから話す内容の数を先に伝えることで、相手に話の全体像をイメージしてもらうことができます。また、見通しを持つことができるので、飽きずに最後まで話を聴くことができるというメリットがあります。
効果的なポインティング法の使い方
効果的にポインティング法を使うためには、次のステップが必要です。
①あらかじめ話す内容の要点をまとめる
②要点ごとに数字を振る
③要点にキャッチフレーズをつける
④要点から先に話す
①あらかじめ話す内容の要点をまとめる
まずは相手に伝えたい内容を箇条書きでまとめましょう。箇条書きをしたら同じような話をグループにまとめていきます。そうすることで、話す内容の全体像が見えてきます。
(例)
・目的が大事
・優先順位が大事
・みんなが笑顔になることが大事
②要点ごとに数字を振る
グループをまとめたら、そのグループごとに数字を振りましょう。数字はなるべく少なくした方が相手に伝わりやすくなります。
(例)
①目的が大事
②優先順位が大事
③みんなが笑顔になることが大事
③要点にキャッチフレーズをつける
数字を振った要点にキャッチフレーズをつけましょう。キャッチフレーズがあった方が、相手に印象を残すことができ、相手も聴きやすくなります。
(例)
①目的が大事ー「終わりを描く」
②優先順位が大事ー「最優先事項を優先」
③みんなが笑顔になることが大事ー「Win-Win」
④要点から先に話す
要点をまとめたら、数字を用いて先に要点を伝えるようにしましょう。
(例)
1つ目は「終わりを描く」、2つ目は「最優先事項を優先」、3つ目は「Win-Win」です。それでは1つ目の「終わりを描く」から説明させていただきます。
【事例】偉人が使った歴史上のポインティング法
ポインティング法は伝わりやすい構成のため、歴史上も多くの著名人に使われてきました。ここではその一部をご紹介します。
・7つの習慣
言わずと知れた「世界最強の自己啓発本」「20世紀最高のビジネス書」。1989年にスティーブン・R・コヴィー氏により発刊され、全世界で4000万部以上を売り上げている。
・モーセの十戒
イスラエルのリーダー・モーセが受け取った「神様が人々に与えた10個の決まりごと」のこと。
・十七条の憲法
聖徳太子が604年に制定した日本初の憲法。「和を持って貴し(たっとし)となす」(何事をやるにも、みんなが仲良くやり、いさかいを起こさないのが良いということ)から始まる。
・アベノミクス3本の矢
2013年に経済成長を目的とした政策運営。「大胆な金融政策」「機動的な財政政策」「民間投資を喚起する成長戦略」の3つのことを指す。
【結論】相手の立場に立った伝え方が大事
ポインティング法は、聴き手にとって優しい話し方です。話の全体像を先に提示することで、相手は話を聴きやすくなります。「全体像が見えない話」は例えると、どこにあるかわからないゴールに向かって走るマラソンのようなものです。それほど過酷なことはありません。
話をするなら聴き手が聴き取りやすいように配慮することが大切です。結局は「相手への思いやり」がすべてを解決してくれます。ポインティング方を使って、相手の立場に立った話し方をしていきましょう!
先に全体像を見せる話し方は、「PREP法」や「SDS法」など、体系化されているものもあります。下記で詳しく解説しています。よかったらこちらもご覧ください。